災害医療現場における「災害支援ナース」の仕事とは

災害支援ナースとは、災害現場において人々の健康や命を守る看護師のことです。

災害支援ナースのメンバーは、全国各自治体の看護協会に登録されています。

災害が起こった際に速やかに被災地へ派遣され、救急対応できる体制を整えるのが特徴です。

災害支援ナースとして登録されるには、5年以上の実務経験や研修の受講などいくつかの要件を満たしていなければなりません。

活動場所は主に避難所や臨時に設置された救護室で、仕事内容は多岐にわたります。

災害発生直後からおよそ72時間の急性期で、災害支援ナースは被災者の受け入れ態勢を整えるために避難所の環境整備を行うのです。

具体的には、現地のボランティアと協力しながら救援物資の整理・振り分けることが挙げられるでしょう。

そのほか、避難ルートの確保や誘導の際のフローの確認など、二次災害への対策などがあります。

避難所の換気や気温の調節、照明の調整などの基本的な生活環境の整備もあるでしょう。

また、水分補充や高齢者への食事の介助、被災者の保清など感染症対策として衛生面を管理します。

被災者のストレス軽減のために、できる限りのプライバシーの確保や不満の聞き取りなど、精神面のケアも重要です。

一方、救護室では死亡者の移送、中等・重症患者への初期治療や投薬介助、軽症者の手当てなどを行います。

状況把握に向けた情報収集や記録、共同で作業を行う各医療チームへの申し送りも災害支援ナースの大切な仕事です。