災害医療に携わる看護師に求められるスキルの一つに、トリアージがあります。
トリアージとは、災害発生など多くの急患が発生した際に、患者の状態の重症度や緊急性を見極めて治療の優先順位を振り分けることです。
通常は医師が行うことが多いですが、災害時は人手が足りません。
刻一刻と状況も変化するため、医師の指示を待ってから行動を起こすのでは、取り返しのつかない事態になるケースがあります。
そこで災害医療では、看護師の迅速で的確なトリアージが重要となっているのです。
トリアージの方法はいくつかありますが、災害時には第一段階としてシンプルなSTART法が用いられます。
まずはCWAPと呼ばれる原則に従い、子供(Children)、女性(Women)、高齢者(Aged)、障がい者(Patient)を優先させるのです。
そして、混乱した状況下ですぐに優先順位を判断できるよう、直ちに救命処置が必要な場合は重症として赤色を使用します。
2〜4時間以内に要治療な場合は中等症として黄色、歩けるなど救急搬送が不要な場合は軽症として緑色です。
息をしていない、または救命不能の場合は黒色の4色のタグで被災者の重症度を視覚的に管理します。
トリアージの第二段階で多く用いられるPAT法は、一次トリアージでは見逃されやすい症状を再確認し、優先度の誤認を防ぐものです。
PAT法によるトリアージは、より豊富な医療的知識や判断力が必要となります。