日本では欠かせない災害医療の現状

災害医療とは、地震や豪雨災害、火山噴火などの災害時、通常時よりもはるかに上回る傷病者が発生した際に行われる初期の医療活動のことです。

災害医療の最大の目的は、災害死をいかに減らせるかでしょう。

そのため、スムーズに搬送し、患者の容態によって優先順位をつけながら迅速に医療活動を行うことが求められるのです。

この災害医療にあたる医療チームのことを、DMATと呼びます。

阪神淡路大震災を教訓に結成された医療チームで、所属メンバーは災害発生時から48時間以内に現場に駆けつけなければなりません。

いくら訓練を受けていても、災害現場では訓練通りに進むことがほとんどないのが実情です。

訓練を受けていた隊員が東日本大震災の現場に駆けつけた際、想定された状況と違い困惑した話もよく聞きます。

このように、災害現場によって傷病者数や状況が全く異なるため、それらの状況に即時に対応できる柔軟性が求められるのです。

また、災害現場でニーズの高まりを見せているのが、被災してしまった人への精神的なケアでしょう。

建物の耐震性が上がったことで、緊急性の高い負傷者が減少傾向にあるとされています。

そこで本来であれば後回しにされる精神的なケアが、真っ先に求められる事態も発生しているのです。

自然災害が多く発生する日本では、災害医療の整備が欠かせません。

今後も大規模地震が起こると想定されていることから、災害医療の在り方が重要な課題となっています。